一見、普通のサラリーマンでもゲイはいます。世の中には身を隠すように生きている、カミングアウトをしない生き方を選んだLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスセクシャルなどのセクシャルマイノリティの総称)が沢山存在しているのです。しかし、どんな人間も収入の手段が無ければ生きていけません。多くのゲイ達はそうして自分を隠す生き方で社会のをすり抜けるように、また根を張るように生きています。しかし、そうした生き方を良しとせず、自らがゲイであるとカミングアウトして生きる方法を選んでいる人も、徐々に増えてきてはいます。しかし、そうなった場合にはそれまでの仕事を続けることが難しくなる場合が少なくありません。仕事ができる実力があっても、周囲との人間関係がいろいろと問題をはらんでくるからです。LGBTに対する偏見や差別は良くない、人は誰しも自分の心に素直に生きていく権利がある、というのはまだまだ奇麗ごとであり、日本よりも一見理解が進んでいるように見える欧米でも、むしろ宗教観が重くのしかかり、問題の根はむしろ深いのだと言われています。一度ゲイであるとカミングアウトした後に仕事を探そうとしても求人票には掲載されていないそういった差別がその人たちを包み込んでしまうのです。それでも人は生きていかなければなりません。そのためには確固たる技術や知識、資格をもって職を得ていかなければならないのです。その人でなければできない仕事を持ち、差別や偏見を押しのけて生きていく。しかし残念ながらすべての人にそれが叶うわけでもないのです。この時代、彼らを取り巻く社会全体に、大きな寛容さが求められているのです。