
『ここの住所で大丈夫かな?』
やぁ、僕は一輝。
今、僕は謙吾さんの事務所の前にいるんだ。
とても楽しみにしていたけど、めっちゃ緊張するー。
カツカツカツ……

『あら、あなたお客さん?』

『え、あ、その….』
(わー、綺麗な人だー)

『もーどこを見ているのかしら。』

『あ、いや、その。』
(ゲイの僕でもなんか照れてしまう…)

『こんな可愛い子がこんなところに来るなんて。ジロジロ』

(わ、近い、近いー汗)

『ふーん。あ、もしかして、あなたが一輝君?』

『え、なんで僕の名を?』

『けんごー、一輝君よー。』

『おー、一輝君、待ってたよ。』

『あ、あの、この女性は?』

『彼女は美咲。僕のビジネスパートナーなんだ。』

『初めまして、一輝君。美咲です。
ウェブデザインやってるの。』

『は、初めまして。一輝と言います。
美咲さん、おきれいですねー。』

『あらー、ありがとう。一輝君は可愛いわ。
お姉さんのタイプよー。』

『そんな、恐縮です。』

『照れて赤くなってる顔もキュートね☆』

『そ、そんな……』

『あ、美咲はニューハーフだからな。』

『もー、なんで言っちゃうのよー。
私が言うつもりだったのにー。』

『ほ、ホントですかー!!』

『そうよー。』

『どっからどう見ても女性にしか見えないです。』

『ありがとう。そう言われると嬉しいわー。』
美咲さんはどこからどう見ても女の人にしか見えない。
というより、モデルさん?って思えるくらい綺麗だ。
美咲さんは、謙吾さんのウェブ会社のデザインを担当しているんだって。

『美咲に話をしたらさ、美咲も一輝君に会いたいっていうから。』

『だって、謙吾が楽しそうに話すから。
昔の謙吾に似てるんだーって。』

『そうなんですか?
美咲さんって、いっつもそんなにオープンなんですか?』

『そうよ。なんでもオープン。この胸もオープンにしてあげよっか?』

『いえいえいえいえいえ…?! 大丈夫でっす!!』

『なんだー、つまんなーい。
一輝君は、なんて言うんだっけ?オープンリーゲイ?なの?』

『いえ、僕は全然…。親にも仕事仲間にも言ってないです。』

『そっか。私はこんな見た目だからわかると思うけど、せざるを得なかったわー。』

『周りに言うのって怖くなかったんですか?』

『最初はもちろん勇気が必要だったわ。
でも本当の自分を偽って生きても楽しくないって思ったの。
笑って人生を過ごしたいでしょ?』

『確かに……。』

『美咲はね、そういうところが素敵なんだ。』

『お褒め頂きありがと。
私みたいに、こんなにオープンにしなくてもいいけどー。』

『じー。』

『な、なんですか?』

『一輝君は、カミングアウトだけでなく、自分の気持ちも結構溜めこんじゃうタイプね。』

『な、なんでわかるんですかー。』

『女の勘、かな?』

『女じゃなくて、ニューハーフの、だろ?』

『そうとも言うわね。
色々溜め込んじゃうと、身体もかたーくなっていくわよ。私なんて、こんなにやわらかいのー。』

『美咲はヨガのインストラクターでもあるんだ。
よく言ってるよな、身体と心は繋がってるって。』

『今は出来るビジネスマンや、大企業の社長さんもやってるわー。
そんなグッドルッキングガイを見るのも楽しいの。』

『おいおい、そこかよ。』

『人生楽しく笑って生きないとね?』

『美咲はそういうところもブレないなー。』

『アハハ、でもオープンにしたら周りの人に嫌われなかったんですか?』

『そうね、周りにニューハーフだって伝えたら、露骨に嫌な態度をする人もいたわ。もちろん離れていく人も。
でもね、それでも私を大事にしてくれる人をもっと大事にしていこうと思ったの。』

『僕は嫌われたくないって思っちゃいます。』

『皆から好かれたいって執着してしまうのよね。
でもね、それを手放すと、なんだか知らないけど人が集まってきたの。』

『人が集まる?』

『こっちから心を開くと、相手も心を開いてくれるのね。
だから、自分の気持ちを伝えることを、無理なく出来る範囲で始めていくといいわ。』

『俺は自分からカミングアウトはしないけど、ゲイかどうか尋ねられたら正直に言ってるな。』

『そうそう。そんな感じでもいいのよー。
一輝君も、きっと人生が面白くなっていくわ!』
美咲さんからたくさんの話を聞いた。
ウェブデザインの話や、ヨガのこと、身体と心のため健康習慣。そして彼女自身の性の話。
どの話も美咲さんが実際に経験をしたり、体現してきたからかな?
凄く説得力があるように感じたんだ。

『あら、いけない、もうこんな時間?
今日はこの後、ファビュラス☆ヨガの時間なの。
一輝君、また、会おうね。謙吾はこの資料ちゃんと読んどいてねー。』

(ファビュラスヨガ……ハチャメチャなネーミングだなー苦笑)
『美咲さん、ありがとうございました。』
(グイっと一輝を引き寄せる美咲、ささやき声で)

『一輝君が謙吾と一緒になりたいと思うなら、ちゃんと今から自分の気持ちを伝える練習しときなさいね。』

『は、はい。』

『ばいばーい!!』
あの後、謙吾さんが「一輝君を美咲に会わせたかったんだ」と笑顔で言ってた。
そういえば、昔から僕って自分の意見をなかなか言えないんだ。
自分の意見を言っちゃうと嫌われるんじゃないかって、ビクビクしてしまうんだ。
でも、それって僕の勘違いだったのかな?
もっと正直に生きていいのかな?
今度からちょっとずつ自分の気持ちを伝えてみようかな。
なんだかいつもの後ろ向きの自分が、ちょっと前向きになれた気がするよ、ありがとうニューハーフのお姉さん。
レベル
『オープンマインドって自分を大切にすること』
今回は、美咲が登場してたわねー☆
あの娘もだいぶ変わったもんだわ。昔の美咲ってほっとけないダメな子だったのだけどw
今ではキャリア♡ウーマンって感じね。
そんな美咲が変われたのは、『オープンマインド』になったから。
『オープンマインド』って美咲のように
なんでもさらけ出すってことも大切なのだけど、
(彼女のようになれるのって素晴らしいことなのよw)
まずは、あなたが何を大切にしているのか
あなた自身の考え方をしっかり把握することが大切。
だって、あなたをあなた自身が大切にすることが出来るから
周りの意見に振り回されない、あなた自身の考えをオープンに出来るのよね。
そこを大切にするからこそ、オープンマインドになれるんじゃないかしら?
そして、オープンマインドになると
美咲も言ってた通り、あなたのことを邪魔したり、嫌いだっていう人が200%出てくるわw
そんな奴らから好かれる必要はないのよw縁を切ってしまいなさいwww
そして、あなたのことを好きになてくれる人を大切にしてあげて。
そう、この段階でもあなたはあなたのことを大切にしてあげないとね。
オープンマインドって実は、あなた自身を大切にすることなのよ。
覚えておいてね☆