僕は一輝。

今日は待ちに待った謙吾さんと会う日だ。

昨日の夜は何だか久々にワクワクして全く眠れなかったし、
謙吾さんに会えることが嬉しすぎて、早めに待ち合わせの場所に着いてしまった。

一輝アイコン困り小

『ここが、バーヘルマ、、、
え、本当にここ?大丈夫かな?』

MISSION2画像-1


きらびやかな街の中だというのに、一本道を外れただけでこんなに寂しくなるなんて。

そして目の前にあるのは昭和の匂いも何となく漂ってきそうなバーの古びた扉。

初めて来た場所というだけで緊張してしまうのに、、、

一輝アイコン困り小

『ほんとにこんな所に謙吾さんが来てるのかな??』

ピロリンッ

一輝照顔小

『謙吾さんからだ!!
なになに?電車が事故で遅延していて遅れちゃうのかー、、、
とりあえず大丈夫ですよっと返信♪んー、どうしようかなぁ。 
きっとまだまだ時間がかかるだろう。ちょっと怖いし、離れたところでお茶しておこう、、、』

ガチャッ!!

一輝驚き大

ビクッ!!!

マスター笑顔小

『あっらー!?オープンするの待っててくれたの?
嬉しーわー♪いらっしゃーい!!』

一輝アイコン困り大

『え!え!? 僕は、、あ、待って、、』

マスター笑顔大

『ささ、今からオープンよ!!ズべコベ言わずに入っちゃいなさーい!!』

一輝アイコン困り大

『え、力強っ!!── って、あぁぁぁぁぁれぇぇぇぇ、、、、』

太くて、逞しいその大きな腕にぐいっと引き寄せられた僕は、そのままバーへと引きづり込まれてしまった。

バー店内にて


マスターあらやだ

『あらー、そうだったの?外で待ち合わせをしていたの?それは、ごめんなさいねー。
ワタシ、この店のマスターしてるのよー。』

一輝アイコン真顔

『(あ、この人がマスターなんだ…)僕、一輝と言います。
でもちょうど入ろうか入らないか迷っていたとこだったので、、、』

マスター照れ顔大

『一輝君ね、よろしく!!ちょうど今はオープン直後だから他のお客さんはいないからゆっくりしていってー。
何が良いかしらー?。』

一輝アイコン驚き小

『ええっと、、』

マスター笑顔小

『そんなドキドキしなくていいのよー?』

一輝アイコン困り大

『いや、初めてのところって結構緊張してて…。
あ、マスターのお任せで、、、』

マスター笑顔小

『お任せねー(笑)
でも一人で若い子が来るなんて、よくここが解ったわねー。』

一輝アイコン疑問符マークなし

『あの、謙吾さんってご存知ですか?』

マスター笑顔小

『あー、謙吾の知り合いねー♪』

どうやら謙吾さんもこのお店には来ているようだった。
マスターが出してくれたお酒を少し口に含み、ちょっとホッとする。

マスター笑顔小

『一輝君は緊張しいなのねー。』

一輝アイコン驚き小

『そうなんです、、、小さいころから緊張しやすくて、、、』

マスター笑顔小

『そういう時ってどういう状態か知ってるー?』

一輝アイコン驚き小

『え?』

マスター笑顔小

『緊張しているときってだいたい自分ばっかりに意識が向いてるのよー。
自分に意識が向けば向くほど、どんどん緊張してしまうの。
でも、その意識の矢印が自分では無くて、相手に向けていくことで緊張もしなくなるの。  
覚えておくといいわよー♪』

一輝ひらめきマークなし

『は、はい。
確かに緊張しているときって自分のことばかり考えていて、相手のこと全然考えていない気がします。』

マスター笑顔大

『ある意味、気遣いの出来ていない人間なのよ、気をつけなさいね。
あと、良いこと言ったから500円頂戴ねー(笑)』

一輝アイコン困り大

『えー、それは無いですよーっ(笑)』

マスター照顔小

『緊張もほぐれてきたようね。』

お酒の力もあるのか、それともマスターの不思議と面白い話術のせいなのか、いつの間にかガチガチだった心と身体の緊張がほぐれてきた。

これもマスターの言う気遣いということなのだろうか?

少しづつ、自然とマスターに僕のことを打ち明けていった。

マスター笑顔小

『そういえば、謙吾とはどういう仲なのー?』

一輝照顔小

『いや、まだ今日で会うの2回目なんで、なんとも……』

マスターウインク

『一輝君は昔の謙吾にちょっと似てるわねー。
でも、まだ一輝君の方がましかもね。』

一輝アイコン真顔

『前回、謙吾さんに会った時に同じことを言われた気がするんですが…』

マスター照顔大

『そうね、謙吾は違ったけど、なんかオドオドしている感じがするから。
でも、そういうところが可愛いのかもねー。若いって特権だわー(笑)』

一輝アイコン困り小

『はぁ…』

マスター真顔

『あと今まで自分で何かを決めてきたことって少なそう。』

一輝泣顔小

『マスターはズバズバ痛いとこついてきますね……』

マスター笑顔大

『そりゃ、長年この仕事してたら、嫌でも見えてくるわー。
あと、あそこのサイズも百発百中よ!!当ててあげる(笑)』

一輝照顔大

『いやいやいや、遠慮しておきます(赤面)』

マスター笑顔大

『冗談よー、こんなことで顔が赤くなるなんて、ますます可愛いー(笑)』

一輝照顔大

『もー、やめてくださいよー。』

マスター笑顔大

『あ、他のお客さんが来たわ、ちょっと待っててねー。』

マスターはマスターで人生がとても楽しそうだ。
謙吾さんは謙吾さんで、充実した人生を送っているように見える。

それに比べて僕はどうなんだろう……全然、人生がつまらない…。

一輝ためいき

『はぁ……。』

マスター真顔

『あらー!何溜息ついてんのー?』

一輝ためいき

『なんかみんな輝いているなーと思って。それに比べたら僕は何をしているんだろうって。』

マスター真顔

『このご時世、色々と若い子は若い子で悩みが多くて大変ね。』

一輝アイコン真顔

『周りの子は恵まれてるんだなーって。僕なんて何もないし…』

マスター笑顔小

『だからこそ、今から色々できるんじゃないー!!』

一輝アイコン驚き小

『え…?』

マスター笑顔小

『まっさらなキャンバスだから、絵が描けるでしょ。
それと同じで、今から一輝君の絵を完成させていけばいいのよー。』

一輝ためいき

『でも周りと比べたら僕なんて全然……』

マスター笑顔大

『周りと比べたがるのも解るわー。アソコの大きさなんて特にね(笑)』

一輝ためいき

『そこはお察しの通り……』

マスター真顔

『他と比べて劣等感を抱いても何も変わらないの。でもね、劣等感の中でも良い劣等感があるのよ。』

一輝アイコン疑問符1

『良い劣等感…?それって何ですか?』

マスター真顔

『他人と比べるのではなく、一輝君自身がなりたい将来と今を比較してみるの。
どんな絵を描きたいのか完成形を最初に決めて、それに向かって今の段階がどの状態なのか比べてみたら、
そうすると今足りないものが見えてくるはずでしょ?』

一輝アイコン疑問符マークなし

『なりたい自分……』

マスター笑顔大

『あ、でもアレの大きさはもう諦めなさいね(笑)』

なりたい自分。

そんなことを最後に考えたのはいつだっただろう。

小さい頃にはたくさんのなりたい憧れの自分があったはずなのに。

大人になるにつれて、だんだんと周りのしがらみや様々な制限、固定概念から自分を押し殺してしまったのだろうか。

あの時より出来ることは多くなったはずなのにな……。

一輝アイコン疑問符マークなし

(なりたい自分になるにはどうしたらいいんだろう…?)

マスター笑顔大

『あら、いらっしゃーい!!』

謙吾アイコン笑い小

『いやー、遅れてごめんよー。』

一輝アイコン笑い小

『謙吾さん!!』

MISSION2画像-2

謙吾さんとマスターは仲良く談笑をしている。昔から仲がいいようだ。

一輝アイコン笑い小

『もー、待ちましたよー』

謙吾アイコン笑い大

『あはは、ごめんなー。』

まっさらな僕の人生のキャンバスにこれからどんな絵を描いていくんだろう。

謙吾さんの声に、僕の胸の高鳴りが止まらなかった───。

MISSION3へつづく!

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レベル

『将来のあなたってどんな感じ?』

はーい☆あなたの心のオアシス、マスターよ!
ワタシの活躍っぷりはどうだったかしら?
さて今回のお話のポイントは

「なりたい将来の自分を考える」

これね、一つコツがあって
出来るだけワクワクしたことをしながら夢を叶えているあなたを想像してほしいの。

苦しみながらではなくて、ワクワクってのがポイント☆

あと、出来るだけ自由にね!

それで、そんな風に夢を叶えているあなたが
今もやもやしているあなたに対して
どういう言葉をかけてくれると思う?
他でもない、未来のあなたがくれたメッセージ、大切にしてみない?