『アタクシはお邪魔だから向こうに行っておこうかしらー。フフフッ』
『悪いな、マスター。』
『ごゆっくりー』
『いやー、遅れてしまってごめんー。』
『いえいえ、マスターと仲良くなれたので全然大丈夫です。』
『おー、それなら良かったよ。
マスター、面白い人だろう?』
『はい、下世話な話が多かったですけど。笑』
『ガハハ、、』
爽やかな笑顔、キラリと光る白い歯、
普段からしっかりトレーニングをしていることが分かる逞しい胸板。
一週間ぶりに会う謙吾さんは、、やっぱり眩しかった。
『あれから1週間何か変わったことはあるかい?』
『いやー、特に何もないんですけど、、、
あ、さっきマスターからなりたい自分になればいいって言われたんですけど。
そういうのって何もないなぁって、、、』
『確かに、いきなり言われてもわからないかもな。
俺自身も最初はそうだったよ。だから最初はがむしゃらに何でもやっていたなぁ。』
『例えば、どんなことを?』
『今の仕事をやるまでにとりあえず、生活をしないといけないから工事現場の仕事をして、
そこから、色々な職種に就いてみたよ。もちろん一輝君と同じスポーツトレーナーもしていたさ。笑』
『へー、謙吾さんもトレーナー時代があったんですね。』
『ゲイバーで仕事を体験させてもらったこともあるよ。』
『えー、謙吾さんが?笑』
『1週間限定だったけどな。』
『謙吾さんがホゲてる姿似合わなさそー笑、
トレーナーはどれくらいやってたんですか?』
『1年くらいかな。
その他にも色々やって、自分に向いていることってなんだろうってずっと思っていたんだ。』
『今の僕みたいに迷走してますね。笑』
『で、とてもしんどい時期が来たんだ。自暴自棄になってさ、
その時にぜーんぶ仕事を辞めて、取得した資格も破棄して、2ヶ月くらい旅に出たんだ。』
『えー、なんかもったいないなぁ。』
『そう思うよな。今思うと、ある程度人生には引き算をする時期が来るのかもなぁ。』
『引き算、、、』
『今はまだ解らないかもしれないけど、そのうち気付くさ。』
『でも今までやってきたことを捨てるって、勇気がいりませんか?』
『うん、めちゃくちゃ悩んだ。
俺が今までやってきたことって意味なかったのか?とかね。
でもそこから勇気を出して引き算して、残ったものが自分の軸になるんだろうね。だからまずは色々なことに挑戦したらいいさ。』
今まであんまり人生のことって考えたことが無かった。
いや、考えようと思ったけど
何をしたら良いかも解らなかったし、
目の前の楽しいこと
お酒、仲間と遊ぶ楽しい時間、一夜限りのセックス、、
それだけでは決して満たされないのだけど、
そういうことで逃げてしまうこともあった。
『一輝君はこれから変わろうとしていく中で、きっと様々な壁にぶつかると思うんだ。』
『壁……ですか?』
『面白いことにちょうどタイミングを図ったかのように、
変わろうとする一輝君にわざと邪魔をして、成長する機会を奪う人や、物事が起こるんだ。』
『そんなこと分かるんですか?』
『俺自身もあったし、俺のビジネスの師匠や、周りの仲間達もそんなことがあったって聞くからなぁ。
でも、自分がどうなりたいかっていう軸をしっかり持っていれば大丈夫さ。』
『まだ経験したことがないからなんとも言えないなぁ…。』
『いつか解るときがくるさ。
おっと、もうこんな時間か。そろそろ帰ろうか。』
(あ、もうこんな時間なんだ。時間が立つのは早いなぁ。)
『あら謙吾、一輝君が寂しそうにしてるわよー』
『そっ、そんなことないですよー』
『顔に書いてあるわよ。』
『もーっ!!』
『ま、一輝君もまた一人でも気軽にいらっしゃい。』
『はーい!』
帰り道は駅まで謙吾さんと一緒だったんだ。
残念なことにしっかり健全な関係さ(笑)
でも謙吾さんやマスターのような年上の人に話を聞くことが出来て、今日は幸せだったなぁ。
レベル
『何をしたいかわからないときはとりあえずやってみる』
お待ちかねの「教えてマスター」の時間よ☆
あなたは何をしたいかよくわからないってことがないかしら?
それはきっとあなたの心のアンテナが疲弊してしまっているのね。
こういう時は、まず毎日ワクワクしながら生活している人に会ってみるといいわ!
そんな人が周りにいないかよーく観察してみて?
そして、一緒にいたり、話をすることで
今回の一輝君のようにきっと様々なヒントが得られるはず!
そのヒントを参考にしながら、色々行動してみるといいわよ。
え?そんな人がいない場合は?ですって?
そんなあなたはワタシがお相手してあげるわー!!